- もうすぐ子どもが3歳、フルタイムに戻らないといけなくなるけど、やっていける気がしない
- フルタイムに戻るのは無理だから、会社辞めるしかないかも…
時短勤務やパートタイムで子育てをしている方は、フルタイムに戻らなくてはならなくなったときに家事育児と仕事とのバランスが取れるのか、両立可能なのか悩みますよね。
私もこの先の働き方が不安になり、会社の先輩に話を聞いたり、転職活動をして他の会社の働き方や自分の価値を確認したりして「なんとかなる」と思えるようになりました。しかしそこに至るまでに家事育児の分担で夫と離婚寸前の喧嘩をしたり、頑張り過ぎて倒れたりと失敗を繰り返してきました。
そこで、この記事では「フルタイムに戻りたくない・戻れない」理由と、試してみてほしい対策について解説します。
対策を一つでも実行すれば、前向きにフルタイムに戻ることができたり、あるいは無理のないキャリアを前向きに選択できたりします。
ぜひ気になるところだけでも読んで、一つでも試してみてください。
時短勤務でも心も身体も家族も辛かった育休からの復帰

第一子を産んで、育休から戻ってからは仕事・家事・育児をすべてこなそうとする中で休む暇がなく、自分の時間がまったく取れませんでした。
時短勤務で給与も下がるのに周囲に申し訳ない気持ちを抱き、精神的にもくたくた。夫も仕事が忙しく、帰宅は22時を過ぎることがザラ。ワンオペに近い育児で家庭内の余裕もありませんでした。
時短勤務とは? フルタイムとの違い

時短勤務制度は、2009年の育児介護休業法改正で導入され、2012年から全事業所に義務化されました。
- 子どもが3歳未満で、週2日以上・1年勤務以上で利用可能
- 所定労働時間6時間が基準(企業規模や就業規則により確認が必要)
時短勤務の種類
- 育児短時間勤務
- 育児時間
- 看護休暇
育児短時間勤務(給与は勤務時間に応じて)
- 所定労働時間は1週間単位で数パターンあり(例:1日約5~7.5時間×週5日など)
- 小学校就学前まで利用可能
育児時間
- 生後1年半頃まで(会社による)に利用可
- 1日2回まで90分以内の休暇取得が可能
看護休暇
- 就学前の子どもが病気やケガをした際など、看護が必要なときに企業から従業員に与えられる休暇制度
- 子どもが1人であれば1年で5日まで、2人以上の場合は最大10日まで休暇の取得が可能
フルタイム復帰を考えるきっかけ

時短勤務やパートタイマーからフルタイム勤務に戻ろうと思うには、それなりの理由やきっかけがあります。
- コロナ禍で夫が在宅勤務になったこと、ママ友から「成果を出してるのにもったいない」と言われたことで自分のキャリアにもっと向き合い、家庭との両立も再構築したいという想いが強まった
- 時短勤務の社員に対し、フルタイムの社員から「同じ仕事をしないのはずるい」と不満が噴出した
- 子どものストレス症状の具合
- 収入の不安
フルタイム勤務に戻ろうと考えたきっかけは、キャリア志向からだったり、周囲からの不満だったり、あるいは収入の不安だったりと様々。

周囲から不満をぶつけられてフルタイムに戻る…というのはおすすめできませんが、ストレスを感じることは確かですよね



う~ん、子育ては大変だし、周りと合わないならフルタイムに戻るよりは職場を変えちゃったほうがよくない?



職場を変えるのも良い選択ではありますが、人間関係の不満だけを理由にするとまた同じことが起こるかもしれません



どういうこと?
人生の悩みはすべて対人関係だ、と言われるくらい人間関係は重要なものですが、ストレスを感じる理由は周囲の人達のせいだけではないかもしれません。
人間関係は相互作用で結ばれるもので、自分の捉え方や接し方でも変わるものだからです。
「私さえ変われば」「私が悪いんだ」と思い詰める必要はありませんが、捉え方や接し方を意識して変えてみるだけで環境を変えていける可能性があります。
転職は労力と時間のかかるものですから、他の手段で解決できそうなら先にやってみましょう。
▶ワーママが転職する前に考えたいこと:【ワーママの悩み】転職しない方がいいケースと仕事に悩んでいるときに考えたいこと
時短?フルタイム?悩みと向き合う


子育てをしながら仕事をしていると、「働き方」は毎日の過ごし方や体力などに直結するため悩みは日々生まれます。
仕事以外のスケジュールも思い通りにはいかない環境だからです。仕事のキャパがはみ出てきた場合に、他でリカバリーすることが難しいんですね。
一方で子どもを育てていると、かかるお金がどんどん増えるのも事実。ワーママは「時短?フルタイム?」と揺れ動いています。
- 上司が退社時間ギリギリに大量の仕事を渡してくる。直接的な嫌味はないが「帰りづらい」「やりづらい」と感じ、気持ちの持ち方に悩む
- 一人目のときにフルに戻って辛かった。どのように、いつ戻るのか悩む
- フルタイムに戻りたいが、夫は出勤が早く協力できない、祖父母も頼りづらい状況で朝4:00起きになりそうだが現実的ではない
もし悩んでいる方が復帰直後の場合は、あえて問題を「後回し」に


もし、「フルタイムにいつ戻る?戻れる?戻りたくない…」と思っている方が産休・育休から復帰した直後なら一回その悩みは忘れてしまいましょう。
復帰直後は生活も仕事も新体制の「移行期」であり、心身ともに混乱していて当然の時期。「フルタイムには戻れない」と思っても正常な反応だからです。
慣れない保育園の送迎や準備、カンを取り戻すのに必死の仕事、仕事から帰ってからも子どものお世話で休めない毎日の中で「よし、頑張ろう!フルタイム!」となる方は一部の超人です。
法律で子どもが3歳になるまでは時短勤務を取れると決まっているのですから、3年かけてゆっくり考えればいいのです。今は無理に答えを出すタイミングではありません。
働き方に「絶対的な正解」はない。自分軸で決めるしか無い


人によって条件(パートナー・子ども・制度・通勤・支援体制など)が異なり、絶対的な正解は存在しません。だからこそ、他人基準ではなく「私はどうしたいか」が判断軸になります。
一方で、自分の価値観は大切にしてほしいですが、家庭・会社の制度・人間関係を冷静に把握することは非常に重要です。
「実現できる」「思わぬトラブルに見舞われても後悔しない」ためには自分の気持ちだけでは足りないからです。
以下の3つの判断軸を確認し、「胸を張って自分で選んだ」と言える道を選びましょう。
- 自分が何を大切にしたいか
- 家庭環境
- 所属会社の制度と上司とのすり合わせ
自分が何を大事にしたいか
ワークライフバランス重視かキャリア形成重視か、自分の価値観を明確にすることが第一歩です。キャリア重視なら早めのフルタイム復帰も、家庭重視なら時短勤務継続を選ぶことも正解です。
この軸を考えるときは、一度「周りの人がどう思うか」を捨てて自分の気持ちに正直になりましょう。
- 自分の理想の生活を紙に書き出す…頭の中で考えるよりも具体的かつ本音になりやすい
- いろいろな働き方をしているワーママの本を読む…自分の固定観念を超えた理想が見つかる
- ChatGPTに相談する…話し相手になってくれるので、うまく考えがまとまらないときにおすすめ
家庭環境


フルタイム復帰のためには、パートナーの協力(育児・家事分担)の見直しが不可欠です。仕事時間が増えても、家事も育児も無くならないからです。そして1日が24時間なのも変わりません。
- 負担が偏りすぎないようにする
- 家事育児タスクの「見える化」「共有」
- 保育園・幼稚園のお迎え時間や預かり対応がフルタイム勤務での生活に合うかをシミュレーションする
- ベビーシッターや実家の支援など、外部リソースも含めて環境を整えることが必要
- 子どもとの関係性・安心感を確保する
- 一日一回は子どもとの(場合によっては夫も)ふれあいの時間を持つ、と決める
- 「ながら育児」で生活の中で子どもとコミュニケーションをとる
もし協力を取り付けるのが難しかったり、復帰してキャリア形成できるか不安なときは、時短勤務中に得た子育てスキルや多忙さへの対応力は、将来的に仕事にも活かせると捉える視点も大事です。
共働き家庭でも家族の時間を大切にできる?と不安な方は以下の記事も参考にしてみてください。
▶帰宅が遅くても家族時間を取るアイデア:共働き家庭は無理ゲー? 帰宅19時以降でも”家族時間”をつくる3ステップを解説
所属会社の制度と上司とのすり合わせ
会社の制度と上司やメンバーとの事前のすり合わせはしっかり行いましょう。
フルタイム勤務に戻るからと言って、「無限残業社員」になれるわけでありませんよね。でも、もしあなたが思う「フルタイム」と、会社が求める「フルタイム」が違っていたら…?
「フルタイム勤務」の条件をすり合わせないと家庭は崩壊、会社もパニック、メンバーにも迷惑をかけてしまいます。
- フルタイム復帰によって、免除されていた残業や休日出社が復活する可能性はあるか
- リモートワークとの併用はできるのか
- 勤務地が変わり、通勤時間が増減することはあるか
- 上司と仕事量・評価・協力体制について認識をすり合わせ、「状況を伝えやすい関係性」に
まずは気軽な雑談ベースで、上司に確認してみましょう。
構造から見るフルタイム実践と変化


フルタイム勤務に戻る=絶対に今より大変 というわけではありません。
1日24時間というのは変わらず、時間の使い方が変わるのでフルタイムの方がかえって「ゆとりが生まれる」というパターンもあります。
業務の効率化と家事外注で、かえって自分時間が増えるメカニズム


勤務時間を延ばす代わりに、保育園の時間延長・家事の外注・家電の活用などで生活の構造を見直した。夫とも協力しながら役割分担を再設定。その結果、業務も効率的になり、帰宅後の時間に自分のためのゆとりが生まれるようになった。



家事育児が分担と外注で減って、業務も効率的になって時間を有効活用できるということですね
夫婦が同じ境遇で働くことで、理解と思いやりが深まる
夫も働き方の調整や家事育児に関わるようになり、妻はより責任の重い仕事を長時間こなすことでお互いの状況に対する理解が進むことも。
大変さがわかるからこそ、「自分の時間も持っていいよ」と自然に声を掛け合えるような関係になり、夫婦関係も改善。フルタイム共働きが家庭をより“チーム”として機能させる結果につながることがあるでしょう。
フルタイムに戻るときに注意したいこと


フルタイムに戻るとき、その分減る時間を睡眠時間で補う、という発想は危険です。



子どもと同じタイミングで起きると何も進まなくなるから、子どもが寝ている間にやれることを…



わかります、首がもげるほどうなずきますが、優先順位を変えましょう。たとえば夜寝る時間は22時を過ぎるのに、毎朝4時に起きる、となると睡眠時間は6時間以下になってしまうので不健康です
JPHC研究「睡眠時間と死亡リスク」では、睡眠時間が7時間を切ると寿命が縮みやすいということがわかっています。また、親自身の健康もさることながら子どもは年齢によって10時間程度は睡眠時間が必要です。
フルタイムに戻ることで健康を損ねることのないように、自分と家族の体調をよく観察し、「睡眠時間を優先」「残った時間で回せる生活レベル」のバランスを取りましょう。
- (子どもがまだ自分で食べられないなら)子どもが「もぐもぐ」している間に自分のご飯も食べる
- 夕食を作ったとき、そのまま冷凍できるお弁当箱に取り分けて冷凍。朝は持っていくだけのスタイルに
- 眉ティントでメイク時間を短縮。プチプラでも自然な眉毛が3日は持つので、朝ちょっと描くだけで眉メイクが完成します
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時短勤務を続けるときに注意したいこと


時短勤務を続けることを決めたら、「時短勤務でいかに自分らしく貢献しながら働くか」を考えていきましょう。
周囲の人へ感謝を伝え、誠実に働く
感謝してくれる人を優先したくなるのが人間というもの。時短勤務をとる人が「家事も育児もあるから早く帰って当然」と態度に出すのは不快感を与えてしまいます。
- 「仕事押し付けてごめんね~」のようなセリフ
- 「時短なんだから仕事も減って当然」な態度
- 雑な業務引き継ぎ
無理は禁物、後ろめたさを感じる必要はない
定時で帰ることに罪悪感を持つ必要はありません。
「子どものための時短」と決めたらならその選択に自信と責任を持って!
時短勤務でも子どもにストレス症状が見られるなら保育園やかかりつけ医を頼って対策を相談、必要なら転園やベビーシッターの利用を検討しましょう。
帰り際に仕事を渡されたときは「いつまでに必要か」を聞き、自分のスケジュールを伝えて調整を。それが上司の仕事でもあります。納期の確認は、時短勤務でなくても、仕事を渡されたのが帰り際でなくても大切です。
フルタイムに戻りたくないときの対策3選


フルタイム勤務に戻りたくないとき、負担を分散させるか、あるいは時短勤務をいかに延長するかという視点で考えられる対策は以下のとおりです。
- 夫、家族との協力関係を見直す
- 時短勤務の延長の交渉
- 時短勤務のまま転職できないか考える
①夫、家族との協力関係を見直す
しばらく時短勤務だったとはいえ、れっきとした責任あるお仕事。子どもの急な用事などに対して妻側がいつも対応し、会社にも負担をかけているなら見直しをしましょう。
最初は「頼めない」「どうせあの人はやらない」と思えても任せてみると意外と協力してもらえるかもしれません。
また、責めるような言い方で話すのではなく冷静に頼みたいことをリストなどにまとめて相談してみるのもおすすめです。
②時短勤務の延長の交渉
法律では、時短勤務を取れるようにしなければならないのは子どもが3歳まで。
しかし、私の働く会社でもそうなのですが、会社によっては「小学校入学まで」「小学3年生まで」など独自の延長制度を設けていることがあります。



私の会社はそういうのなさそうだけど…



あきらめないでください。こういった独自制度も、会社が状況や社員に合わせて導入してきた経緯があります
自分の会社の制度が「今は違う」としても、「福利厚生」「時代に合わせた制度整備」として提案することができれば自分が先駆者となって時短勤務制度を変えていけるかもしれません。世の中では期間延長のほか週4正社員などいろいろな制度が運用されています。
柔軟な働き方を実現することは、会社にとってもより優秀な人材を獲得・維持することに繋がりメリットがあるので積極的に提案していきましょう。
③時短勤務のまま転職できないか考える
今の環境が合わない、時短勤務制度がしっかり整っていないという悩みであれば転職で解決できるかもしれません。
会社によって時短勤務者に対する雰囲気も、制度の運用(期間、勤務形態の多様さ)も違うからです。
たとえば今の会社では時短勤務を取っている人が少ない、時短勤務を取った人は自動的に昇給昇格から外れているとしても、他の会社では時短勤務でもうまく回せる仕組みがあったり時短勤務の管理職がいる場合もあります。



でもそれって、時短勤務前にその会社でフルタイムで働いてた人の話じゃないの?転職は難しそう



時短勤務のまま転職は十分可能です。まずは自分にどんな可能性があるのか相談してみてください
共働きも、フルタイム共働きも多数派となりつつある今、「ワーママ向け」の転職支援サービスもたくさん登場しています。
なかでも私のおすすめは「リアルミーキャリア
時短勤務でも経験を活かした年収アップ転職や、フルリモート・フレックスの案件を紹介してもらえる可能性があります。
私自身の体験談は以下の記事でお話していますので、興味を持った方は読んでみてください。背中を押すきっかけになると思います。
▶時短勤務のまま、環境を変えたいなら:【ワーママに自信がつく】時短特化転職エージェント体験談【1か月で内定】
まとめ:「時短かフルか」で悩むあなたへ、まずは“自分軸”を探して


時短勤務からフルタイムに戻るかどうかは、正解のない選択です。他人や制度に振り回されるのではなく、「自分はどうしたいか」を起点に、冷静に選びましょう。
働き方に絶対的な正解はなく、育児・家事・仕事・家庭の状況は一人ひとり違うからです。感情だけで焦って決めると後悔することも。自分の価値観や体力、サポート体制、職場環境などを丁寧に整理してから選ぶことで、納得のいく選択に近づけます。
例えば「フルタイムに戻れば時間が足りない」と不安を覚えても、家事の外注や夫婦の役割分担の見直しで生活が整うケースがあります。逆に「時短勤務は肩身が狭い」と感じている方も、感謝を伝えながら誠実に働けば周囲との関係も変わる可能性があります。フルタイムに戻れないからと言って「正社員を手放す」前にできることとして、以下のような選択肢もあります。
- 夫、家族との協力関係を見直す
- 時短勤務の延長の交渉
- 時短勤務のまま転職できないか考える
まだまだ続く子育てとキャリア。納得感のある選択をして一緒にワーママ人生を楽しんでいきましょう。